BEAT主義日記
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さよなら


2009/01/06

新年のブログを書いたその夜、
とてもお世話になった友人が天国に召されました。
彼女は麻布のイタリアンレストランの看板ママさん。
笑顔の素敵なとってもチャーミングな人でした。
腕利きのシェフとの二人三脚、そして素晴らしいスタッフに囲まれて、
毎夜集まる各界の個性的な客人たちを華やかにもてなし、
にこやかで艶やかな至福の時間を我々に与えてくれました。
長い闘病の間もフロアに立ち、時には痛々しくもあったけど、
その姿は「生きる意思」に溢れ、感動的でありました。
数年前にTAKUYAくんに紹介してもらってから、何度通ったことでしょう?
週に何度も行く時もあるくらい、大好きな、大切なレストランです。

昨年末、娘がどうしてもそのレストランに行きたいと言い電話してみると
お店の方が「今ちょうど布袋さんに御連絡しようとしていたところなんです」と沈んだ声。
クリスマスあたりに病状が悪化し、緊急入院されたと聞き、早速お見舞いに伺いました。
美樹ちゃんの「GOOD BYE YESTERDAY」と「PRIDE」を大好きでいてくれた彼女。
我々が病室に入り声をかけると、驚きと、喜びと、悲しみが一度に表情に表れ、
声も出せずただ頬を震わせ、心で訴えるかのようなそのまなざしに、胸が張り裂けそうになりました。

新しい年が来ると、すべてが更新されるような気分になります。
実際、新たな目標を立てて、新たな気持ちで歩みだすチャンスの時でもあります。
が、太古の昔から、時は変わらず、一瞬を重ねてゆくだけ。
楽しい思い出だけが人生を彩るわけではなく、
苦かったり、辛かったり、暗かったり、虚しかったり、情けなかったり、寂しかったり...。
人生は光と影。
どちらも抱きしめなくてはなりません。

さよなら。ママさん。
天国でも変わらぬ笑顔の人でいてくださいね。

別の海から、オリオン座を見上げています。

月も随分ふっくらしてきました。

BRIAN ENOのAPOLLOを聴きながら、別れ酒を飲んでいます。

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